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紙・板紙需給速報8月/段ボール原紙の国内出荷は前年比、19年比ともに増加


日本製紙連合会が集計した8月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比+7.1%の172.1万tで、5ヵ月連続の増加となった(2019年比は△7.8%)。
国内出荷のうち、紙は+5.9%の85.1万t(△14.6%)、板紙は+8.3%の87.0万t(△0.1%)で、用途別では、グラフィック用紙(新聞用紙+印刷・情報用紙)が+3.6%の60.4万tで5ヵ月連続の増加(△18.3%)、パッケージング用紙(包装用紙+段ボール原紙+紙器用板紙+雑種紙+その他の板紙)は+9.8%の97.1万tで6ヵ月連続の増加(△0.7%)。主要品種の前年同月比は新聞用紙を除きプラス、19年同月比は段ボール原紙のみプラスだった。
紙・板紙のメーカー輸出は+8.2%の15.0万tで20ヵ月連続の増加。うち、グラフィック用紙は塗工紙を中心にアジア向けが増加して+60.9%の4.8万tとなり5ヵ月連続の増加。一方、21ヵ月ぶりの減少となったパッケージング用紙は、段ボール原紙が東アジア向けで減少して△6.3%の10.2万t。ただし、段ボール原紙輸出の減少は、原料古紙の入手難が続く中、各社が国内供給を優先した結果であり、中国をはじめとするアジアの需要が急に減少したわけではない。
紙・板紙の在庫は前月比+5.6万tの203.0万tで2ヵ月連続の増加。うち、グラフィック用紙は新聞用紙、印刷・情報用紙ともに増加して、同+7.8万tの100.3万tで2ヵ月連続の増加。パッケージング用紙は、段ボール原紙を中心に白板紙も減少して同△1.9万tの94.3万tとなり、前月の増加から減少に転じた。衛生用紙は同△0.3万tの8.4万tで2ヵ月連続の減少。

〔主要品種の動向〕
新聞用紙:国内出荷は△2.3%の16.3万tで3ヵ月連続の減少(△17.0%)。
印刷・情報用紙:国内出荷は印刷用紙、情報用紙ともに増加し、+6.0%の44.1万tで5ヵ月連続増(△18.8%)。メーカー輸出は+60.9%の4.8万tで5ヵ月連続増。
包装用紙:国内出荷は未晒、晒ともに増加し、+20.1%の5.2万tで5ヵ月連続増(△5.1%)。メーカー輸出は+4.5%の1.5万tで3ヵ月ぶりの増加。
段ボール原紙:国内出荷は+7.3%の71.0万tで9ヵ月連続増(+1.1%)。出荷を国内優先にした結果、メーカー輸出は△20.6%の6.9万tとなり、21ヵ月ぶりの減少。
白板紙:国内出荷は高板、特板、コート白ボールいずれも増加し、+12.0%の10.2万tで6ヵ月連続の増加(△6.9%)。
衛生用紙:国内出荷は、トイレットペーパー、ティシュ、タオル用紙いずれも増加し、+4.5%の14.6万tで前月の減少から増加に転じた(△2.8%)。

 

 

(FUTURE2021年10月11 日号)

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