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山陽製紙/鯉が生息できるレベルの工場排水を実現


 山陽製紙はこのほど、活性炭ろ過が可能な排水処理設備を本格稼働した。設備投資額は3億円。これにより最大COD(化学的酸素要求量)および最大BOD(生物化学的酸素要求量)を、いずれも5ppm以下に抑えられる。CODとBODが5ppm以下の水は、鯉が生息できる水質レベル。工場排水は、①接触酸化槽 ②凝集・加圧浮上装置 ③ろ過塔 ④活性炭塔を通してCODとBODを5ppm以下に処理し、河川に放流される。
 現在の排出基準値(大阪府水質汚濁防止法、瀬戸内海環境保全特別措置法)は50ppmであり、山陽製紙の排水はこの基準をクリアしているため、排水のCODやBODを5ppm以下に抑える法的要請はなかったが、「紙創りを通してお客様と喜びを共有し、環境に配慮した循環型社会に貢献する」という経営理念に基づき、同設備を導入したもの。同社では、2017年7月から工場と本社で使用する電力エネルギーのすべてを、水芭蕉水力発電所でつくられたクリーンエネルギーに切り替えているほか、近隣河川の清掃活動を地域住民とともに行っている。
 なお同社では、工場見学を実施しており、排水処理設備も見学できる。webサイト(http://www.sanyo-paper.co.jp/)で受け付けている。
                                      (Future 2018年2月12 日号)

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