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大日本印刷/製造時の余剰紙を活用した再製品化システムを構築


 大日本印刷(DNP)はこのほど、製造工程で発生する余白分や余剰分などの紙を活用し、再度DNPグループの工場で製品を生産する資源循環システムを構築した。第一弾の再生製品として、DNPの応接室などで使用する「コースター」を田辺工場(京都)で製品化。今後はほかの工場にも展開していく。

 システム構築に当たっては、リサイクルパルプの分野において、FSC認証をアジア地域で初めて取得したパルプメーカー、日誠産業と連携し、工場から排出した紙を製品の原材料として再使用する。DNPは工場で使用する原材料の紙から管理しているため、工場で排出された紙を再製品化するまで、全工程で資源のトレーサビリティを確保できる。再製品化の際に、森林認証マークを付与することも可能。

 資源循環システムの流れは、①DNPの工場から排出される産業古紙を収集→②産業古紙を日誠産業がパルプ化(FSCリサイクルを付与)→③そのパルプで製紙メーカーが再生紙を製造→④再生紙を原材料としてDNPの工場で再製品化(FSCリサイクルマーク付)となる。
 DNPの資源循環システムの特長は、①自社で排出したものを自社で使用するリサイクルであること ②トレーサビリティが確保されていること ③森林認証マークの付与など付加価値の高いリサイクル製品の製造が可能であることの3点。第一弾の「コースター」(前出)は、DNPの工場から排出された紙を主体とした古紙だけで製造され、FSCリサイクルマークが付与されている。同社では今後、このシステムで製造する製品のバリエーションを増やし、社内利用だけでなく得意先企業とも事業展開していく考え。

(Future 2016年10月10日号)

 

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