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紙パルプ産業と環境 2027 資源循環から始まる脱炭素・新素材戦略

 地政学的リスクやウクライナ・中東情勢の長期化、さらに米中・欧米間の貿易対立は国際経済に予断を許さないインパクトを与え続けています。他方、円安やエネルギー・原材料の高騰はサプライチェーンの脆弱性を浮き彫りにし、日本の産業界に抜本的な構造転換を迫っています。こうした事業環境下において、地球温暖化やプラスチック汚染への対策、そして「グリーン規制」への対応は社会貢献にとどまらず、企業の事業継続と国際競争力を左右する最大の「成長戦略」と位置づけられています。そのなかで製紙業界は国内で完結し得る自然由来の資源循環型産業としての強みを最大限に活かし、経済安全保障と持続可能な社会の実現を両立させる主役として、これまで以上に大きな期待を集めています。
 わが国では、日本製紙連合会が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の達成に向け、化石燃料からの脱却とバイオマスエネルギーの高度利用が加速しています。さらにペーパーレス化という構造的変化に対応すべく、各社は培った技術力を応用しプラスチックに代わる革新的な紙製パッケージや次世代素材(セルロースナノファイバーなど)の開発を推進し、「プラ代替」の新市場を開拓しつつあります。また、デジタル媒体への転換に伴う古紙の「質の変化」といった新たな問題にも、業界は高度な再資源化システムを構築することで先駆的なサーキュラーエコノミーの手本を示しています。
 弊社は長年にわたり“紙”を中心に据えた出版活動に携わってきた立場から、毎年『紙パルプ産業と環境』シリーズとして環境問題に焦点を当てた出版物を刊行しています。2027年版では、『資源循環から始まる脱炭素・脱プラ戦略』と題し、上流の森林経営から下流のリサイクル事情の変化、新たな木質バイオマスの活用まで、日本の紙パルプ産業が置かれた最新の事業環境と攻めの環境戦略を総合的に概観します。業界内にとどまらず、同じサプライチェーンで協働する関連他産業の企業をはじめ、一般消費者、官庁・公共機関など、広範な対象の方々が「素材産業としての紙パの役割と未来像」に対する理解を深めるための有益な1冊として構成・編集し刊行致します。

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再生可能エネルギーや発電事業、バイオマス利用の可能性、古紙・森林の新たな課題を追う。

B5判・本文180頁

定価 2,200円(税込・送料別)

2026年8月10日

本書の内容

●紙パルプ産業が進めるSDGsとは
 目指すはGX牽引産業/環境価値と新素材を未来戦略に
 官民連携プラットフォーム/GXフューチャー・リーグの初年度会員は2,689社に
 SDGs委員会活動報告/業界の取組みに対する正しく深い理解を
 紙パの違法伐採対策/第三者監査委員会も取組みを評価
 私はこう考える/生物多様性条約の概要と成立の背景
  KEI環境OFFICE 中俣 恵 一

木質バイオマスと新素材の開発
 国のGX政策と紙パルプ/脱炭素と資源循環を牽引する産業へ
 環境企業の製品開発/新たな成長目指し新しい技術を提案
 木質系新素材の社会実装/地域資源の高付加価値化に向け林野庁がビジョンを策定
 私はこう考える/最近のセルロース関連トピックス2026
  東京大学大学院農学生命科学研究科 磯貝 明
 私はこう考える/コーヒー残渣バイオ炭が拓くネイチャーポジティブ都市
  (同)みらい廃棄物研究所 木村 篤樹

●環境リスクの低減と持続可能性の確保へ
 再エネ政策の展望と課題/日本の自然エネルギー導入はどこまで進んでいるか
 「水」リスクへの対応─講演/企業や産業にとって必要不可欠となってきた「水」リスクへの対応
 生分解性プラスチック/製品評価技術基盤機構などが評価手法の確立で成果
 カーボクレジット創出セミナー/カーボンニュートラル実現に向けて企業が取り組むべきポイント
 私はこう考える/容器包装プラスチックのリサイクルについて
  岩崎 誠

●古紙需給の構造変化と今後の方向性
2 025年のメーカー別古紙消費/配合品種の見直しが進んだ2025年のメーカー別古紙消費
 古紙利用率目標の改定/「2030年度に67%」の目標達成に努める
 世界の古紙需給/途上圏を牽引役に回収量・消費量とも増加を続ける世界の古紙

●データで見る紙パの環境対応
 データで見る紙パの環境対応①/エネルギー:生産量減少の下でも省エネ対策の効果
 データで見る紙パの環境対応②/産業廃棄物:2026年度以降に2000年度比91%減へ

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