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紙パルプ産業と環境2019

「森と紙とエネルギーのリサイクル〜持続可能な社会への貢献」


国連の提唱するSDGs(持続可能な開発目標)への取組みが、官民を問わず加速しています。これは環境と経済を並立的・対立的に捉えるのではなく、初めから一体のものとして位置づけることにより、さまざまな社会問題を解決しようとする考え方です。具体的には17のゴールと169のターゲットを掲げており、スローガンは「誰一人、取り残さない(Leaving No One Left Behind)」というもの。17あるゴール目標のうち、例えば⑦エネルギーを皆に、そしてクリーンに ⑫作る責任、使う責任 ⑮陸の豊かさも守ろう――といった項目は紙パルプ産業の取組みとも親和性が高いと言えるでしょう。そして2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会もまた、SDGsへの貢献を明確化しています。大会組織委員会はこの6月、「持続可能性に配慮した紙の調達基準」を定め、その基準を満たす紙としてFSCやPEFC-SGECなどの森林認証紙が認められました。これにより多くの人が紙の持続可能性に対する認識を深め、プラスチックなど他素材に比べて環境負荷の少ない紙系材料に対する見直しにつながることが期待されます。

 クリーンエネルギーに関して言えば、わが国ではFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の導入が、太陽光発電事業や木質バイオマス発電事業への新規参入を促す一大契機となりました。こうした背景もあって、近年は紙パルプ産業の取組みが注目されています。わが国製紙企業が内外に保有する60万haにも上る植林地は、温室効果ガスの吸収源として地球温暖化防止に貢献。また各地の製紙工場では広大な敷地を活用した太陽光発電や、未利用木材の集荷システムとノウハウを活かした木質バイオマス発電の試み、さらに夢の素材と言われるCNF(セルロースナノファイバー)の本格的な実用化に向けたR&D投資が活発化し、新たな雇用機会を生み出すビジネスとして地域の期待を集めています。

 一方、世界に目を転じると、製紙原料における古紙の存在感は一段と高まりつつあります。適価かつ品質の良い古紙原料に対するニーズは、先進国・途上国を問わず今後も確実に高まっていくでしょう。とりわけ、ここ一両年は世界最大の古紙輸入国である中国が異物混入の多い欧米産の古紙に対する輸入規制を強めており、良質な日本の古紙が改めてクローズアップされています。

 弊社は長年にわたり“紙”を中心に据えた出版活動に携わってきた立場から、毎年『紙パルプ産業と環境』シリーズとして環境問題に焦点を当てた出版物を刊行してきていますが、今夏刊行予定の2019年版では『~SDGsと東京オリパラ2020への貢献~森と紙とエネルギーのリサイクル』と題し、業界内に限らず関連他産業の企業をはじめ一般消費者、市民運動団体、官庁・公共機関など広範な対象の方々が紙パの実情に対する理解を深めるための有益な1冊となるよう構成・編集しました。

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再生可能エネルギーや発電事業、バイオマス利用の可能性、古紙・森林の新たな課題を追う。

B5判・本文196頁

定価 本体2,000円(税・送料別)

2018年8月24日

本書の内容

●世界の古紙事情と日本

欧米流“シングルストリーム”時代の終焉か/中国の輸入制限を機に変容する世界の資源回収と利用システム

私はこう考える/古紙再生促進センター専務理事 岡村光二 中国の調達方針変更は日本にとっても品質改善の絶好のチャンス

私はこう考える/トーチインターナショナル 代表取締役社長 龍国志 収益は良好だが“不都合な真実”から目をそらすわけにはいかない

古紙配合率問題フォローアップ調査/10年の節目に「風化させない」取組みを

メーカー別古紙消費/全体では3年ぶりの消費増だが、雑誌へのシフトも目についた2017年

世界の古紙需給/優先使用の流れが定着し世界市場で増え続ける需要

付表/世界の国・地域別古紙需給(2015〜16年)

付表/世界各国の古紙回収率・利用率試算

 

●製紙産業の取組み

低炭素社会実行計画フォローアップ調査/重油使用増でCO2排出原単位は横ばいに

製紙各社の環境・CSR報告書/多様な取組みにスポットを当てキーワードにも工夫を凝らす

技術・環境イノベーション/新しい発想に基づくセルロースナノファイバーの応用展開 北越コーポレーション新機能材料開発室 中俣恵一 

 

●森林認証とSDGs

国連SDGsの達成状況/極度の貧困率は低下したが、紛争や気候変動で飢えが増加

SGEC/PEFCジャパン 森林認証フォーラム/認証材の国際的なサプライチェーン構築を

FSCジャパンプレスカンファレンス/小売・飲食業界7社がFSC認証材の調達宣言

気候変動イニシアティブ(JCI)/著名企業や自治体が多数参加して発足

 

●再生可能エネルギーの現在

レジリエントなエネルギー基盤の構築/非木質系バイオマス発電を補助金に頼らず、どう軌道に乗せるか

私はこう考える/自然エネルギー財団副理事長 末吉竹二郎 企業の競争力を高める自然エネルギー

拡大する輸入パーム油使用の木質バイオマス発電/環境負荷と国民負担の増大に懸念も

資料/わが国の古紙回収率と古紙利用率

 

●各国の資源・環境政策

変化する米国、EUの資源回収政策/“廃棄物処理”から“資源管理”へ グローバルプランニング取締役 小笠原秀信 

罰則強化・情報公開・新ルール制定/法改正で環境規制を強める中国当局

EUのプラスチック包材規制/加盟各国間で取組みには温度差が

自治体における古紙リサイクルの取組み/東京都千代田区にみる都市ごみの減量化・資源化 内河英臣

 

●資料・統計

データで見る紙パの環境対応/廃棄物対策:最終処分量は12.9万tで前年度比2.3万t減

データで見る紙パの環境対応/エネルギー:燃料転換進むがバイオマス燃料不足が懸念材料

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