トップページ > 書籍案内 > 紙パルプ産業と環境2017「エネルギー、バイオマス、古紙、森林~持続可能な社会への貢献」

紙パルプ産業と環境2017

「エネルギー、バイオマス、古紙、森林~持続可能な社会への貢献」


2015年末のCOP21で採択されたパリ協定には①温室効果ガス(GHG)排出量そのものではなく排出抑制策の義務づけ ②先進国による途上国への資金援助継続 ③21世紀中に世界の平均気温上昇を産業革命前と比べ+2℃(できれば+1.5℃)以内に抑えるとの長期目標——という3つの基軸が盛り込まれました。これは1997年に採択された京都議定書以来、実に18年ぶりとなる国際合意であり、すべての国の参加を条件にしている点で歴史を画すものと言われています。今回、国際合意が実現した要因について識者は①「COP15の失敗を繰り返さない!」とする欧州の強い思い ②温暖化に対する人々の意識変化 ③温暖対策をコスト負担ではなくチャンスと捉える認識の広がり、を指摘しています。
特に③については、わが国においてもFIT(再生可能エネルギー固定価格買取)制度の導入が、太陽光発電事業や木質バイオマス発電事業への新規参入を促す一大契機となりました。こうした背景もあって、近年は紙パルプ産業の取組みに注目が集まっています。わが国製紙企業が内外に保有する63万haにも上る植林地は、温室効果ガスの吸収源として地球温暖化防止に貢献。また各地の製紙工場では広大な敷地を活用した太陽光発電や、未利用木材の集荷システムとノウハウを活かした木質バイオマス発電の試み、さらに夢の素材と言われるCNF(セルロースナノファイバー)の本格的な実用化に向けたR&Dが活発化し、新たな雇用機会を生み出すビジネスとして地元の期待を集めています。
一方、世界に目を転じると製紙原料に占める古紙のウエイトは一段と高まりつつあります。とりわけ製紙産業が勃興期にある途上国では、産業用紙向けの原料として適価かつ品質の良い古紙に対するニーズが引き続き旺盛です。これらを背景に古紙の国際貿易が活発化しており、年間約400万tが輸出される日本の古紙はその品質の確かさ、異物混入の少なさから海外市場でも高く評価されています。縮減傾向にある国内需要を考慮すれば、今後とも“ジャパン・ブランド”古紙として品質を維持していくことが、売り先の選択肢を増やし国内の余剰化を防ぐための有効な手立てと言えるでしょう。
弊社は長年にわたり“紙”を中心に据えた出版活動に携わってきた立場から、毎年『紙パルプ産業と環境』シリーズとして環境問題に焦点を当てた出版物を刊行してきていますが、2017年版では『〜持続可能な社会への貢献〜エネルギー、バイオマス、古紙、森林』と題し、業界内に限らず関連他産業の企業をはじめ一般消費者、市民運動団体、官庁・公共機関など広範な対象の方々が紙パの実情に対する理解を深めるための有益な1冊となるよう構成・編集しました。

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再生可能エネルギーや発電事業、バイオマス利用の可能性、古紙・森林の新たな課題を追う。

B5判・本文180頁

定価 本体2,000円(税・送料別)

2016年8月1日発行

本書の内容

●CNFの現在と未来
CNFとは何か/資源循環が可能な自然由来の新素材
企業によるCNFの取組み/相次ぐ実証プラント稼働で実用化に弾み
産官学によるCNF/多様な展開を見せる実用化への取組み

●気候変動と持続可能性
日本政府の地球温暖化対策計画/GHGは「2050年までに80%削減」、再生可能エネは「最大限導入」と明記
COP21はゲームチェンジの始まり/カーボンプライスを抜きにして経営は語れない時代になった
CSPUシンポジウム/サプライチェーンでの企業間連携により持続可能な紙利用の拡大を目指す

●森林・林業・木材
製紙業界の違法伐採対策/外部監査や合法確認の精度向上が課題 2割強にとどまる森林認証材の割合
私はこう考える/北越紀州製紙㈱環境統括部長,農学博士 中俣恵一 わが国における林業の今後とFITについて
平成28年度JOPPセミナー/遺伝子組換え、違法伐採対策、CNFをテーマに第一人者が講演

●古紙の回収と利用
世界の古紙需給/貿易構造に変化の兆し インドの輸入が初の300万t超に
インタビュー/全国製紙原料商工組合連合会 栗原正雄 理事長 利用率目標65%の達成に向け問屋業界のやるべき課題は多い
私はこう考える/前経済産業省紙業服飾品課長 渡邉政嘉 わが国における古紙利用の現状と今後
インタビュー/エコマット産業 嚴柏鎔 社長 厳格な検査システムで売買双方から信頼を獲得
メーカー別古紙消費/消費減もマシン増設の影響が出た2015年のメーカー別古紙消費

●製紙産業の取組み
求められる市場安定化のための施策/新たな古紙利用率目標は「2020年度までに65%の達成」
環境・CSR報告書を見る/新しいスタイルで多面的な情報提供、社会貢献活動なども幅広く紹介
中国の環境行政と製紙/規制強化を成長モデル転換の契機に

●資料・統計
データで見る紙パの環境対応①/廃棄物対策:2016年度以降の最終処分量目標を改定
データで見る紙パの環境対応②/温暖化対策:過去最小のCO2排出原単位に
データで見る紙パの環境対応③/エネルギー:進展する省エネ・燃料転換

●資料
わが国の古紙回収率と古紙利用率
「古紙の統計分類と主要銘柄」、「古紙標準品質規格」
「雑がみ・オフィスペーパーの分別排出基準」の改定について
日本の古紙の統計分類と主要銘柄

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