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特種東海製紙/岐阜工場を閉鎖へ


 特種東海製紙は、岐阜工場の生産を2024年3月末で停止して閉鎖し、特殊紙の生産を三島工場に集約することを決めた。
 現在の岐阜工場は、同社が1964年に真砂製紙㈱を吸収合併してスタートした工場で、特種東海製紙の主力製品であるファンシーペーパーのマザー工場として、オリジナリティのある付加価値の高い製品を開発、生産してきた。これまで約100ブランドの製品を誕生させており、 日本の紙文化の発展に大きく貢献してきた。
 一方で、特殊紙を取り巻く事業環境は厳しく、特に印刷情報メディアとしての需要減少は継続している。同社では、中国市場を主なターゲットとした和紙楽活(KAMI Lab.)ブランドの立上げ、工業用途で使用される機能紙の拡販などの対策を進めてきたが、特殊紙生産体制の最適化と安定供給のため、三島工場への集約と岐阜工場の閉鎖を決めたもの。岐阜工場で生産している製品は、設備面、技術面、収益面などから製品別に検証し、基本的には三島工場へ移管する予定。岐阜工場敷地内にある㈱モルディアのパルプモウルド生産設備については、特種東海製紙の三島工場への移設を検討している。
 また岐阜工場の従業員については、雇用維持を基本方針として他の事業所またはグループ会社への配置転換を進めていく。なお同社では、「引続き特殊紙事業は既存製紙3事業の1つとして企業価値向上に努めていく」としている。
 【岐阜工場の概要】▽主な生産品目:特殊印刷用紙▽従業員:57名(うち正社員44名)▽主な設備:①5号機(円網多筒、日産7t) ②6号機(長網多筒、日産12t)

(FUTURE 2023年5月29日号)

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