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日本製紙/製造機の販売も視野にMFCのサンプル提供を開始


 日本製紙は、繊維幅をナノからマイクロオーダーにカスタマイズできるセルロース繊維「ミクロフィブリル化セルロース」(=MFC)を開発、サンプル提供を開始する。
 同MFCは、日本製紙のセルロースナノファイバー(=CNF)の原料であるTEMPO酸化パルプ、または低置換度カルボキシメチルセルロースを原料とし、解繊方法や解繊程度を自由に変更・設定できることが特徴。粘度や透明度、保水度、ゲル感などを用途に合わせて製造できるため、さまざまな工業用配合材、食品・化粧品添加剤に使用できる可能性がある。また、大量製造・大量使用にも適しており、農業や土木分野での噴霧用資材などへの適応も期待される。
 MFCサンプルは、富士工場(静岡県富士市)に設置した可搬・可調整式製造機で製造する。製造機は、MFCの透明度や粘度をさまざまなバリエーションで細かく調整しやすいノズル型と、量産性に優れるディスク型の2種類があり、繊維幅は数ナノメーターからマイクロメーターオーダーまで、自由に解繊度合いを調整できる。
 TEMPO酸化MFCおよびカルボキシメチル化MFCは、ともに標準品を揃えているが、透明度や粘度などの物性値は要望に応じてカスタマイズ可能。また製造機は、コンパクトな設計で搬送・組立てが容易なため、ユーザーが同機をオンサイトに設置して原料パルプの供給を受け、オンサイトで解繊度の異なるセルロース繊維を製造・使用することもできる。そうすれば、水分散体CNFを運搬して使用する場合と比べて大幅なコストダウンとなり、日本製紙では、将来的に可搬・可調整式製造機の貸出しや販売も視野に入れていく考え。

(FUTURE 2023年5月15日号)

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