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大王製紙/CNF複合樹脂ELLEX-R67のサンプル供給を開始


 大王製紙はこのほど、芝浦機械との共同研究により、セルロース濃度をこれまでの55%から67%に高めたセルロースナノファイバー(CNF)複合樹脂『ELLEX-R67』の開発に成功した。11月からサンプル供給を開始する。なお、この研究開発は2020~24年度を事業期間とするNEDOの助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」の一つに採択されている。
 サンプルはセルロース濃度67%のペレットの形で供給され、ユーザーは最終製品に応じたセルロース濃度に希釈して成形加工できる。大王製紙は、これにより用途拡大を図る考え。
CNF複合樹脂は、減プラスチック効果に加え、再成形しても物性低下が小さいという特徴があり、マテリアルリサイクルにも適している。また『ELLEX』シリーズの強みは、三島工場の多様なパルプを活用できることと、要望に応じてさまざまな形態、繊維サイズのCNFを供給できること。大王製紙はこの強みを活かし、これまで自社製品へのCNF配合のほか、卓球ラケット、レース用自動車、公道走行バスなどにCNF配合部材を供給してきた。『ELLEX-R67』のサンプル供給を機に、自動車部材や家電製品、建材、容器・包装など幅広い用途展開を進め、実用化開発を加速させる。

 CNF乾燥体『ELLEX-P』がスキー用ワックスに採用

 大王製紙のCNFには前出の複合樹脂のほか水分散液、成形体などさまざまな形態があるが、このほどCNF乾燥体の『ELLEX-P』が、チームレスキュー合同会社のスキー・スノーボード用ワックス『RESCUE ZERO ver1.3』(写真)の材料に採用された。
 チームレスキューは、石油系パラフィン、フッ素不使用のスキー・スノーボード用ワックスを開発しており、『RESCUE ZERO ver1.3』は、競技者から一般の人まで使えて人体や環境にも無害な、最高峰のパウダー状ワックス。『ELLEX-P』の環境性能やワックスに求められる性能を持つことが評価され、今回の採用となった。

 

(FUTURE 2022年11月14日号)

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