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王子ホールディングス/マレーシアGSPPで段原紙マシン増設NEW


 王子ホールディングスがマレーシアの連結子会社、GSPP(GS Paper & Packaging Sdn. Bhd. )で段ボール原紙マシンを新設する。年産45万tの規模で、完成後は既存マシン2台(合計年産30万t)と合わせた総年産能力が75万tとなる。ユーティリティ関係も含めた総投資額は約350億円で、稼働開始は2021年4月の予定。
 王子グループでは、かねて経営戦略の基本方針として「海外事業の拡大」を掲げており、その一環として2010年4月にGSPPを完全買収、アジア市場の本格的な開拓に向けた橋頭堡を築いた。この買収時点では王子が全株式を取得していたが、実質的には丸紅との共同入札だったこともあり、同年8月に株式の25%を丸紅に譲渡している。
 ちなみに両社は07年、GSPPが最初に売りに出された時も別個に入札に参加。だが、この時は投資ファンドのCVCに勝てなかった。そこで3年後にCVCがGSPPを競争入札で売却する方針を打ち出した際、今度は両社協調のうえ王子が代表して応札、3年越しの買収に成功したという経緯がある。
 GSPPは、段原紙・段ボールを一貫生産するクアラランガット工場(所在地;クアラルンプール国際空港近郊)と段ボール専業のペナン工場(同;半島西方のマラッカ海峡に位置する島)という2ヵ所の製造拠点を持ち、直近の売上高は日本円換算で約300億円、従業員数は約1,300名。今回、マシンを増設するのは敷地面積39.6万㎡のクアラランガット工場で、ペナン工場(6.6万㎡)の約6倍という規模。
 GSPP買収を契機に、王子グループの東南アジアにおける段ボール事業は順調な拡大を続けており、加工拠点も20ヵ所に増えているが、使用段原紙の大半はグループ外部から調達しており、その自給率向上が課題となっていた。また近年の東南アジア市場では段原紙の高品質化、低米坪化の要望が高まってきている。
こうしたニーズに対応するとともに王子HDとしては今般の増設により、現在30%程度にとどまっているグループの自製原紙使用比率を、70%前後まで高める意向。同時に引き続き外販もしていくことで、段ボール/段原紙の両分野において新たなマーケットシェアの獲得を目指す。
 また原紙マシン増設と併せて、エネルギー供給および用排水設備も更新することでコスト競争力を向上させ、グループ事業基盤の強化を図っていくとしている。投資金額の内訳はマシン部門が200億円、その他部門が150億円と後者のウェイトが高い。
このうちエネルギー関係では液化天然ガス(LNG)を使用した発電用ボイラーを新設し、購入電力から自家発電に切り換える計画。マレーシアはLNGの一大産出国でもあり、他の東南アジア諸国に見られるような電力不足はまず起こらない。
 しかし「電力や用排水などのユーティリティを外部に頼っていると、何か起きた時に融通が利かずリスクが大きい」(王子産業資材マネジメント)という判断から、マシン増設と同じタイミングで投資に踏み切る。新マシンが供給量と品質の面で競争力向上に直結する投資であるとすれば、ユーティリティの方はGSPPの高いコスト競争力を将来にわたって担保するためのものだと言える。
 なお45万tの段原紙増産に見合う原料古紙の調達については、現時点で具体的に定まった計画はなく、GSPPがマレーシア全土に保有する30数ヵ所の古紙集荷拠点から増量を図るほか、必要に応じて日本を含む海外からの輸入も検討するとしている。

(Future 2018年1月29 日号)

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