業界ニュース

凸版印刷/間伐材使用の紙製容器を開発しセブン&アイPBで採用
 凸版印刷は、木材の生産地から容器生産までトータルに管理し、間伐材マークの認証取得にも対応した間伐材使用の紙製容器を開発。第1弾として、セブン&アイ・ホールディングスが発売するPB商品『セブンプレミアム生きて腸まで届く乳酸菌入りのむアサイー&バナナヨーグルト』と、『セブンプレミアム春雨スープ(ワンタン、かきたま、坦々麺味)』の容器として採用された。
 この容器には、セブン&アイとセブン・イレブン記念財団が2012年6月から開始している、「セブンの森プロジェクト」などから得られた間伐材を10%以上使用。セブンの森プロジェクトとは、日本の森林を育成し国産木質材の利用を促進するプロジェクト。森林所有者と5年間の協定を結び、「セブン&アイの森」として森林整備活動を行っている。今回の紙製容器では、「セブンの森」で伐採した間伐材を、凸版印刷の徹底したトレーサビリティ管理のもと原料となる木材チップに加工し抄紙。その用紙を紙容器として用いることで、「セブンの森」を育て、自社製品の容器として活用するサステナブルな仕組みを作った。
 これらの容器は、「セブンの森」で伐採した木材であることを証明することで間伐材マークを取得。企業が保有する特定の森の木材であることを証明した間伐材マーク取得製品は、同製品が国内初となる見通し。
 「セブンの森」の間伐材を含む紙製容器としては、凸版印刷の紙製飲料容器『カートカン』がすでにセブン&アイのPB商品で採用されているが、凸版印刷は今回、木材の生産地トレーサビリティから間伐材マークの認証取得までトータルで管理する仕組みを開発。これにより、間伐材の一定量以上の使用を証明する生産体制を確立し、『カートカン』以外の紙製容器の製造も可能にした。凸版印刷は「今後もセブン&アイの協力を得ながら、セブンの森の間伐材を活用した紙製容器の開発を進める。またこの仕組みを他企業へも展開していく」としている。企業保有の木材やリサイクル材を活用した紙製容器全体で、2017年度に約30億円の売上高を目指す。

(Future 2014年11月17日号)

テトラパック/植物由来の再生可能な資源だけによる容器を発売
 テトラパックはこのほど、植物由来の再生可能な資源だけで作られた容器を発売した。
 新しい『テトラ・レックス』は、FSC認証を受けた原紙を使用していることに加え、サトウキビから作られたバイオベースの低密度ポリエチレンフィルムおよび高密度ポリエチレンキャップを採用。テトラパックはこれまでも、一部の地域で植物由来の低密度ポリエチレンやキャップを使った容器を導入してきたが、今回は、植物由来の再生可能な資源だけで作られた新型『テトラ・レックス』の、本格的な提供開始となる。まずは欧州市場向けに発売し、その後、日本市場を含む他市場へ展開していく予定。

(Future 2014年12月1日号)

紙・板紙需給9月/国内出荷が6ヵ月連続で減少
 日本製紙連合会が集計した9月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△1.0%と、6ヵ月連続で減少した。うち紙は△3.4%の119.3万tで6ヵ月連続のマイナス、一方板紙は+2.2%の92.6万tで3ヵ月ぶりの増加となった。主要品種は新聞用紙、印刷用紙を除き前月の減少から増加に転じた。
 紙・板紙の輸出は前年同月比+28.2%の10.3万tで、3ヵ月連続の増加。うち紙は+22.6%の7.3万tで、東アジア、東南アジア向けを中心に3ヵ月連続のプラス。板紙は+44.4%の2.9万tで、東南アジア向けを中心に23ヵ月連続増。
 紙・板紙の月末在庫は前月比△2.6万tの203.6万tとなり、前月の増加から減少に転じた。うち紙は△3.5万tの139.2万tで、印刷・情報用紙を中心に減少。一方、板紙は+0.9万tの64.4万tで、段ボール原紙を中心に2ヵ月連続の増加となった。

 以下は主要品種の動向である。
 〔新聞用紙〕
 国内出荷は前年同月比△2.0%の25.3万tで、7ヵ月連続の減少となった。
 〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比△6.7%の66.1万tで、6ヵ月連続の減少。品種別では情報用紙以外はすべて減少している。メーカー輸出は+23.6%の5.3万tと、主力の塗工紙を中心に3ヵ月連続の増加。
 〔包装用紙〕
 国内出荷は前年同月比+1.5%の6.4万tと、前月の減少から増加に転じた。未晒、晒ともに増加している。メーカー輸出は△1.7%%の1.3万tで、2012年7月以来の減少となった。
 〔衛生用紙〕
 国内出荷は前年同月比+5.9%の15.1万tで、前月の減少から増加に転じた。ティシュ、トイレットペーパーともに増加している。
 〔板 紙〕
 段ボール原紙の国内出荷は前年同月比+2.4%の73.3万t、白板紙の国内出荷も+2.3%の12.6万tで、営業日数の増加などにより、いずれも3ヵ月ぶりの増加。

(Future 2014年11月10日号)

伊藤忠エネクス、王子グリーンリソース/電力販売の合弁会社を設立
 伊藤忠商事のグループ会社、伊藤忠エネクスと、王子ホールディングスの子会社、王子グリーンリソースはこのほど、電力販売事業の合弁会社を設立することで基本合意した。
 東日本大震災以降、国内の電力を取り巻く環境は大きく変化した。電源の多様化が求められ、新たな電力市場の拡大に期待が集まる中、いよいよ2016年には電力小売が全面自由化される。伊藤忠商事グループのエネルギー事業の中核を担うエネクスは電力小売販売のノウハウを持ち、一方の王子グループは国内有数の自家発電設備を持つ。両社の提携は国内トップクラスの新電力事業者として期待がかかる。エネクスと王子グリーンリソースは今後、事業内容の詳細について協議を進め、国内外の政府当局および監督官庁から必要な承認を取得後、会社を設立する。また、電力販売事業拡大のため、発電事業も共同で検討を進める予定。
 〔合弁会社概要〕
 商  号;王子・伊藤忠エネクス電力販売
 本店所在地;東京都港区(予定)
 代 表 者;未定
 設  立;2015年1月(予定)
 主な事業;電力販売事業
 資 本 金;1億円
 株主構成;エネクス60%、王子GR40%
 電力販売目標;年間約30億kWh

(Future 2014年10月13日号)

丸住製紙/太陽光発電所第2弾が完成し四国電力に売電
 丸住製紙では、このほど東部太陽光発電所が完成、去る9月3日、星川社長はじめ役員、施工者代表ら関係者が出席し、安全祈願祭と起動式が執り行われた。
 東部太陽光発電所は、同社が“環境・社会関連事業の強化”戦略の一環として取り組んでいる発電事業の第2弾。四国中央市の東部臨海土地造成地の遊休地(約3万2,000u)の敷地にパネル9,100枚を設置して作られた。太陽電池容量2,202kW、年間予想発電量は約240万kWh(一般家庭約700世帯分の消費電力に相当)で、「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」を活用して四国電力に全量販売される。
 なお、同社が第1弾として4月に稼働を開始した梅ノ木太陽光発電所は、発電容量2,000kW、年間予想発電量は約210万kWh(600世帯分に相当) で、東部太陽光発電所同様FITを活用して四国電力に売電している。

(Future 2014年10月20日号)

ダイナパック/ベトナムに子会社を設立
 ダイナパックはこのほど、2015年8月の事業開始を目指し、ベトナムのハイフォン市に段ボール子会社(新工場)を設立する。ベトナムにおける同社グループの段ボール製造拠点は、ハノイに次いで今回が二つ目。今後は、さらに成長するベトナム北部で既存拠点と連携し、サービスの向上とグローバルなサプライチェーンを追求する。
 〔新子会社概要〕
 商  号;Dynapac(Haiphong)Co., Ltd.
 所 在 地;ベトナム・シンガポール工業団地ハイフォン(ベトナム・ハイフォン市トゥイグェン地区)
 敷地面積;約3万m2
 代 表 者;General Director近藤正実
 事業内容;段ボールなど包装材の製造販売
 資 本 金;800万ドル(ダイナパック100%出資)
 人的関係;ダイナパック執行役員が代表者を兼務

 フィリピン子会社の社名を確定

 またダイナパックは、先頃設立したフィリピンの子会社について、仮称となっていた商号、設立年月日などを次記の通り確定した。
 〔子会社概要〕
 商  号;Dynapac Packaging Technology(Philippines)Inc.
 所 在 地;バタンガス州リパ市リマ工業団地内
 代 表 者;President仲野谷公美
 事業内容;段ボール、印刷紙器など包装材の物流および販売など
 設  立;2014年6月
 資 本 金;2,250万フィリピンペソ(ダイナパック100%出資)
 事業開始;2014年9月

(Future 2014年9月29日号)

レンゴー/名古屋工場を96億円で売却
 レンゴーはこのほど、名古屋市東区の名古屋工場の土地(4万2,494.29u)と建物(延床面積1万9,796.20u)を96億1,000万円で住友不動産に売却することを決めた。物件引渡しは2015年2月23日の予定で、これに伴い発生する売却益は90億8,900万円。
 同社は今年1月、愛知県春日井市に新名古屋工場を開業させたのに伴い、名古屋市の名古屋工場は閉鎖していた。今後も自社使用の予定がないため、売却を決めたもの。

(Future 2014年10月13日号)

レンゴー/女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画を策定
 レンゴーはこのほど、「女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画」を策定した。
 同社は4月、人事部に女性活躍推進室を新設して女性活躍の支援体制を一層強化し、環境整備に取り組んできたが、自主行動計画の策定により、女性の活躍をさらに加速させる。今後は、自主行動計画の達成はもとより、女性の活躍を企業成長戦略の重要な柱の一つと位置付け、継続して女性の採用促進と職域拡大に注力していく。全社の女性社員比率を高めるとともに、教育・キャリア形成支援を強化・充実していく。なお、この自主行動計画は12月に日本経団連ホームページで公開される予定。

 「自主行動計画・2020年度目標」
 ・女性管理職数を倍増する(2014年度19名→40名以上)
 ・総合職女性採用比率を3割以上とする

(Future 2014年10月6日号)

ニッポン高度紙工業/高知県などと協働で森づくり事業を推進
 ニッポン高度紙工業は10月10日、高知県、いの町、高知中央森林組合と、「協働の森づくり事業パートナーズ協定」(U期目)を締結した。
 「協働の森づくり事業」とは、高知県、市町村(森林組合)、企業の三者が協働して「森林の再生」と「交流の促進」に取り組むことによって、現在手入れの行き届かない森林の再生を進めていく事業。ニッポン高度紙工業は2011年10月、創立70周年記念事業の一環として、高知県およびいの町と「協働の森づくり事業パートナーズ協定(ニッポン高度紙工業・輪の森)」を締結し、森林整備事業への協賛などを行ってきた。同社では引き続き森づくり事業に参画し、仁淀川水系の森林の再生に貢献するとともに、地域住民との交流を促進していく。
 〔協定森林概要〕
 名 称;ニッポン高度紙工業・輪の森
 場 所;高知県いの町清水上分牛王山2992ほか
 面 積;50.84ha

(Future 2014年11月3日号)

国際紙パルプ商事/千葉県市原市で機密文書処理施設を開設
国際紙パルプ商事はこのほど、千葉県市原市の機密文書処理工場を譲り受け、「ecomo LINCLE市原センター」(千葉県市原市姉崎海岸111)を開設、10月1日から稼働を開始した。
 同社は、再生資源の有効活用を目指す事業の一環として、機密文書の処理と製紙原料への資源化を進める「オフィスecomo」を推進している。今回の機密文書処理工場では、回収から破砕・減容処理までを総合的に管理するリサイクル体制のもと、「オフィスecomo」ビジネスの強化を図る。同施設の運営は、機密文書処理分野で26年の実績を持つ潟Vオザワのリンクル事業部と共同で行い、名称も両社の持つ環境事業ブランドを活かして「ecomo LINCLE市原センター」とした。
 ecomo LINCLE市原センターでは、スウェーデンフランソンズ製の特殊リサイクルマシン(写真)2基を設置し、回収した機密文書を破砕から固形化まで一貫して行う。破砕・減容処理能力は250t/月。従来の破砕とはまったく異なり、即日完全機密抹消が可能で、また繊維を分断しないので処理後も100%再生可能な環境対応型ラインとなっている。
 今後両社は、施設の処理能力増強も視野に入れながら、紙だけでなく他業種・多方面への事業展開も念頭に置きつつ、環境事業の営業活動で協力体制を構築し、両社の環境事業拡大につなげていく考え。

(Future 2014年10月27日号)

日本製紙/“PPC用紙N100”が「富士ブランド」に認定
日本製紙・富士工場で生産されている古紙パルプ配合率100%のコピー用紙“PPC用紙N100”が、このほど、静岡県環境資源協会が事務局を務める「静岡県リサイクル認定製品」、および富士商工会議所が推進する「富士ブランド」に認定された。
 富士工場が生産するPPC用紙N100は、グリーン購入法の特定調達品目に適合するコピー用紙で、主に官公庁や企業などが購入している。製品パッケージには、静岡県イメージキャラクターの「ふじっぴー」、静岡県の地図、富士山がデザインされ、静岡県と富士市をアピールしている。
 「静岡県リサイクル認定製品」制度は2005年度に創設された制度で、廃棄物の減量と再利用を推進し、循環型社会の構築を目指すことを目的とする。認定要件は、静岡県内で製造・販売されていること、生活環境の保全に関する措置が講じられた事業場で製造されていることなど。また富士市では、富士市で生産される工業製品・農林水産品や特徴あるサービスなどを「富士ブランド」に認定して全国発信し、地域振興と産業の活性化につなげることを目指している。認定は、富士地域の素材・名勝・歴史を活かしたものや、独自性のある製品・サービスであることなどの基準に基づいて行われる。

(Future 2014年11月3日号)

レンゴー/2014日本パッケージングコンテストで5作品入賞

 日本包装技術協会が主催する「2014日本パッケージングコンテスト」で、レンゴーの作品計5点が入賞した。
 同コンテストは、優れたパッケージとその技術の開発普及を目的に毎年開催されており、今回、レンゴーは最優秀作品に贈られる「ジャパンスター賞」などを受賞した。入賞作品は10月7日から東京ビッグサイトで開催される「2014東京国際包装展(東京パック2014)」の「2014グッドパッケージング展」コーナーで展示されるほか、レンゴーのブースでも紹介する。
 レンゴーの受賞作品は次の通り。
 ・ジャパンスター賞(日本包装技術協会会長賞)
(写真)
 「易組立型いちご10パック宙吊り包装」
 プラスチックコンテナの代替として開発された、リサイクル性の高い段ボール製大型トレイ。物流や流通に耐え得る強度や保護性を保持しながら、簡単に短時間で組立てられる。また、印刷による訴求表現により、プラスチックコンテナにはない販売促進効果の向上も期待できる。(JA全農とちぎとの共同開発)
 ・包装部門賞(適正包装賞)
 「ファンの段ボール包装(八角形緩衝材)」
 直径および高さの異なる73品目に対応できるよう仕様を共通化し、また緩衝材部分の素材を統一した包装形態。八角形緩衝材とケース内フラップの折込みにより、サイズの異なる製品を確実に緩衝固定する。また、八角形緩衝材はケースに押し込むだけで成型できるので、包装作業性が大幅に向上した。(ダイキン工業との共同開発)
 ・包装部門賞(包装アイデア賞)
 「ペントルーフ型ケース」
 スタンディングパウチ商品を扇形に包装する三角型の中間箱。包装材料の使用量を削減するほか、物流時に2箱合わせて正方形にすることで、外装の減容化も図れる。(竃セ治との共同開発)
 ・包装部門賞(ロジスティクス賞)
 「緩衝固定一体型プレゼント用ケース」
 サプライズプレゼント送付用として、受け取った人の印象に残るようプレゼントの入れ方が工夫してある。ケースのフラップに設けた罫線と切込みにより、折るだけでプレゼントを斜めに固定できるシンプルな構造。包装時の作業性と輸送時の保護性にも優れる。(千趣会との共同開発)
 ・包装部門賞(輸送包装部門賞)
 「24缶2ケースパック景品付“おトク”カートン」
 景品付2ケースまとめ売り用カートン。開封しやすさ、取り出しやすさを考え、天面から開封できるジッパーにより、簡単かつダイナミックに開封できる。フラップを短側面側に配置し、製品を横から滑らせて入れる方式により、作業者の腰への負担軽減を図りつつ作業の安全性、生産性も向上。(アサヒビールとの共同開発)

(Future 2014年10月6日号)

日本製紙/包装材コンテストで3製品が同時受賞

日本製紙はこのほど、日本包装技術協会が主催する「2014日本パッケージングコンテスト」の食品包装部門、飲料包装部門、輸送包装部門の3部門で、部門賞を受賞した。
 「日本パッケージングコンテスト」は、日本のパッケージの最高水準を決定するもので、材料、設計、技術、デザイン、ロジスティクス、販売促進、アイデア、環境対応、適正包装など、あらゆる機能から各部門の年間優秀作品を選定している。同社が受賞した3製品の特徴は次の通り。
 ・食品包装部門賞
 「バリア性紙カップ」(写真)
 印刷用紙の塗工技術を利用して紙に直接バリア性を付与することで、化石原料の使用が減り環境負荷の低減を実現した。
 ・飲料包装部門賞
 「レンガ型アルミレス紙パック容器」
 常温流通、長期保存ができ、さらに牛乳パックと同様のリサイクルを可能にした。
 ・輸送包装部門賞
 「茶セル苗1本入り段ボール」
 苗サンプルの輸送用だけでなく、一般消費者向け小売用パッケージや展示会などでの広告塔などさまざまな機能を併せ持つ。

(Future 2014年9月29日号)

古河電池、凸版印刷/紙製容器の空気電池“グボックス”を共同開発

 古河電池と凸版印刷は、世界初となる紙製容器でできた非常用マグネシウム空気電池“マグボックス”(写真)を共同開発した。12月中旬、古河電池から発売される。
 災害時の最も重要な問題の一つに、携帯機器の電池切れによる情報の遮断がある。東日本大震災の被災地(福島県いわき市)に立地する古河電池は、震災時の経験を活かし、避難所などに設置して簡単に多数の携帯機器へ電力供給できる電源を凸版印刷と開発してきた。今回発売するマグボックスは、マグネシウムを負極物質、空気中の酸素を正極物質とし、水や海水を投入して発電させる電池で、大容量かつ長期間保存可能。水を入れるだけで多くの携帯機器に電力を供給できる。また、使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう、環境に配慮した紙製容器を使用した。
 なお、マグボックスの開発・製造・販売は古河電池が行い、凸版印刷はマグボックスの紙製容器である、セル外装材ならびに外箱の開発・製造を行う。

(Future 2014年10月6日号)

凸版印刷/印刷方式で耐油剤を塗布した耐油性紙容器を発売
 凸版印刷はこのほど、中食・惣菜製品向けの耐油性紙容器を開発、ファストフードやコンビニ業界に向け、本格販売を開始する。
 近年は個食の増加などを背景に、コンビニやスーパーでの店内調理をはじめとする中食・惣菜市場は拡大を続けており、その市場規模は2014年に5兆円を超えると推定されている。
 店頭販売される惣菜、特に揚げ物など油を含む食品の容器には、耐油性があり、かつ廃棄が容易な紙容器が多く使われているが、従来の紙容器は紙の表面全体に耐油加工した後に製函しているため、容器の折り部分で割れ(クラック)が生じ、ここから油が染み出しやすいという問題があった。
 凸版印刷が開発した耐油性紙容器の最大の特徴は、印刷方式で耐油剤を塗布した点。独自開発した耐油剤を、紙容器の内面に印刷方式で塗布して紙繊維に浸透させ、耐油膜を形成している。耐油剤の材料選定と配合率、用紙の選定、生産条件など、独自のコーティング技術を組み合わせることによって耐油剤を均一に塗布できるため、従来の耐油性紙容器と比較して油の染み出しを1割以上軽減させた。また耐油剤を印刷方式で塗布するため、のりしろ部分への塗布を避け、接着性を向上できる。価格も、各種条件や生産方式を工夫することで、従来の耐油性紙容器とほぼ同等の価格を実現した。
 凸版印刷はこの容器を、中食・惣菜製品のほかバターやマーガリンなど含油性の高い食品のパッケージとしても拡販していく意向で、2015年度に関連事業を含め約5億円の売上げを目指す。なお、この容器は本格販売に先立ち、大手コンビニで採用されている。

(Future 2014年10月13日号)

凸版印刷/廃棄紙を活用したプラスチック成型品を開発

 凸版印刷は、紙と樹脂素材を複合したバイオマスプラスチックによる環境配慮型のプラスチック成型品(写真)を開発、2015年1月から販売を開始する。
 このプラスチック成型品は、粉末化した紙素材とポリプロピレン(PP)樹脂を混ぜ合わた新素材(バイオマスプラスチック)を使用することで、石油由来プラスチックの使用を最大3割削減。また、素材に紙を複合しているため、従来のプラスチック製品と比較して耐熱温度と剛性が向上し、製品のゆがみやそりを軽減できる。さらに、従来のプラスチック製品にはない、マットな質感も演出できる。
 紙素材には企業が製造段階で排出する廃棄紙も使用でき、今回、凸版印刷は自社で排出した廃棄紙を原料としたプラスチック成型品の量産技術を確立。これにより、石油由来プラスチックの使用量を削減するだけでなく、企業が排出する廃棄紙を自社製品に有効活用できるサステナブルな仕組みを実現した。廃棄紙を使ったプラスチック成型品の開発は印刷業界初。
 凸版印刷では、まずボトルキャップや計量スプーンなどのトイレタリー製品用パーツや、ネジや保護カバーなどの産業製品用パーツ向けに販売を開始し、2016年度に関連受注を含め約5億円の売上げを目指す。また同社では、「企業から排出されるその他の廃棄物についても同様の素材開発を進めていく」計画。

(Future 2014年10月27日号)

大日本印刷/偽造防止印刷の新技術「応力発光印刷」を開発
 大日本印刷はこのほど、切る、折り曲げる、引っ掻くなどの圧力を印刷面にかけるとインキが発光する「応力発光印刷」を開発し、世界で初めて実用化。偽造防止効果を高める技術として金券などに応用し、10月から量産を開始した。
 偽造防止印刷は、真贋判定を機械で行うものと目視で行うものに大別できるが、機械を使わない目視判定の偽造防止印刷は、どこでも手軽に確認できる一方、悪意の第三者による模倣の対象となりやすく、常に新しい技術が求められる。同社はこれまでも、模倣が極めて困難な人工DNA(デオキシリボ核酸)を含有した人工DNAインキや各種ホログラムなど、さまざまな偽造防止印刷技術を開発し、これらを組み合わせて高い偽造防止効果を備えた商品券やチケット、カードなどを販売してきた。今回の「応力発光印刷」は、目視によって真贋判定する偽造防止印刷の新技術で、堺化学工業の応力発光性(圧力がかかることによって光を発する性質)を持つ顔料を使用したインキを開発することで、世界で初めて実用化に成功した。
 応力発光印刷は、ひずみが生じると発光する特殊な分子構造を持つ応力発光体を活用したもので、圧力がかかった時だけ発光し、元に戻せば消えるという特徴を持つ。数分ほど印刷面に光を照射した後、暗い場所で印刷物を切る、折り曲げる、引っ掻くなどの圧力をかけると、緑色の光を発する。また、太陽光や蛍光灯などを照射した後、暗い場所に移動しても、しばらく残光が生じる“燐光性”もある。この応力発光や燐光によって、真贋が判定できるというわけだ。耐水性や紙への加工適性も備えており、印刷色は無色。応力発光印刷の加工コストは、通常の印刷1色分の価格に対して+10%程度を予定している。
 大日本印刷は応力発光印刷を、ミシン目を切ったり、折り曲げたりした時の光を確認して真贋判定するチケットや、アイキャッチ効果を高める商業印刷物、雑誌付録などへ提供していく考えで、今後も用途開発と市場開拓を進めていく。また、応力発光や燐光を使って機械で真贋判定する方法と判定機の開発なども検討していく考え。

(Future 2014年11月3日号)

三菱製紙、北越紀州製紙/相互補完性活かす販売子会社統合の検討を開始
 三菱製紙と北越紀州製紙は8月25日、それぞれの子会社である三菱製紙販売と北越紀州販売の経営統合を実現するための検討を開始すると発表した。この経営統合は2015年4月1日を目途にしており、三菱製紙販売を存続会社、北越紀州販売を消滅会社とする合併によるもの。親会社の三菱製紙と北越紀州製紙は今後、対等の精神に則り統合実現に向けた具体的な検討を進めていく。
 今回の経営統合は、国内紙市場の成熟化、グラフィック分野における電子媒体の拡大、人口減少などに伴う需要縮減と市況低迷を背景にしたもの。ともにグラフィック用紙を主力とする三菱、北越紀州の両社にとって厳しい状況が続く中、今後の環境変化に柔軟に対応し、持続的な成長戦略を実現するためには、それぞれの販売子会社を統合し、商品販売力の強化と流通分野での競争力強化を図る必要がある、と判断したことによる。
 三菱製紙販売と北越紀州販売はともに印刷・情報用紙を主力取扱商品としているが、三菱製紙販売は感熱紙・感圧紙などの情報特殊紙、環境対応商品のFSC認証紙などに、また北越紀州販売は色上質紙、白板紙、特殊紙に強みを持つ。つまり販売商品に相互補完性があることから、経営統合による豊富な品揃えで、顧客に対する利便性の向上や満足度(CS)の向上を訴求できるとみている。
 また相互の販売ルートを活かした新規顧客の獲得も見込めるため、両販社は商品の販売数量拡大ばかりでなく、営業拠点や物流システムの統合による効率化も可能となる。この経営統合によって、紙流通業界での競争力をさらに高め、企業価値を向上させていく考えだ。
 経営統合後の新会社は、三菱製紙および北越紀州製紙の双方における持分法適用関連会社として存続することを前提に、両社の共同支配企業の形成として処理される。
 合併期日は来年4月1日(予定)だが、今後は経営統合に係わる手続きや協議を進める中で公正取引委員会など関係当局への届出、許認可の取得を前提に経営統合の検討・協議を進めていく。また経営統合計画の推進が困難となる事態が生じた場合、親会社である三菱製紙、北越紀州製紙の両社は誠実に協議し見直しを行う可能性があるという。
 経営統合後の新会社所在地は現在の三菱製紙販売の本店所在地(東京都京橋)。代取社長は三菱製紙と北越紀州製紙が交互に指名した者が就任するものとし、初代の代取社長は三菱製紙が指名した者が就任する予定となっている。
 このほか新会社の商号、役員構成などの基本事項は今後適宜、協議を進めていく。また経営統合比率に関しては、両社がそれぞれ指名する外部機関の評価・助言を勘案し、協議の上で決定する。経営統合の推進体制については、両社が選任するメンバーから成る統合検討委員会を設置、必要な準備・検討を開始する。

(Future 2014年9月15日号)

大和紙器/瀬戸内工場を開設
 レンゴーの連結子会社、大和紙器はこのほど、瀬戸内工場を開設した。
 瀬戸内工場は、岡山工場と姫路工場を統合し新たに開設したもので、太陽光発電やLED照明を配備。“Less is more”を標榜するレンゴーグループの工場として、エネルギー消費とCO2排出量の削減を図りながら、より少ない資源でより付加価値の高い製品づくりを目指す。
〔瀬戸内工場の概要〕
 所在地;岡山県瀬戸内市長船町土師1696
 規 模;敷地面積3万9,271m2、延床面積2万3,449u
 生産品;段ボールシート・ケース

(Future 2014年9月15日号)

明治製紙/特種東海エコロジーに社名を変更
 明治製紙は10月1日付で社名を「特種東海エコロジー梶vに変更する。

(Future 2014年9月15日号)


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