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紙・板紙需給速報5月/国内出荷の減少幅が拡大


日本製紙連合会が集計した5月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△19.0%の156.0万t となり10ヵ月連続の減少(以下、「%」表記は前年同月比)。うち、紙は△25.0%の76.6万t、板紙は△12.3%の79.4万t。4月に初めて板紙の出荷が紙を上回ったのに続き、5月も「板紙>紙」となった。

 用途別では、グラフィック用紙(新聞用紙+印刷・情報用紙)が△29.7%の53.4万tで42ヵ月連続の減少。パッケージング用紙(包装用紙+段ボール原紙+紙器用板紙+雑種紙+その他の板紙)は△12.7%の88.8万tで8ヵ月連続の減少。衛生用紙は△7.9%の13.7万tで4ヵ月ぶりの減少となった。2~4月は衛生用紙がプラスだったが、5月は新型コロナ拡大の影響が全品種に及び、主要品種はすべて前年割れとなった。減少幅は、4月からさらに拡大している。

 紙・板紙のメーカー輸出は+11.3%の10.7万tで5ヵ月連続の増加。用途別には、グラフィック用紙が△28.8%の3.3万tで2ヵ月連続の減少。パッケージング用紙は+49.0%の7.3万tで6ヵ月連続の増加。グラフィック用紙は塗工紙を中心に南アジア、北米向けが減少。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東アジア、東南アジア向けが増加した。

紙・板紙の在庫は前月比+12.1万tの230.9万tで3ヵ月ぶりの増加。国内出荷が全品種大幅減となった影響が出ている。特に段ボール原紙で急増し、「段ボール原紙」、「板紙合計」、「紙・板紙合計」の在庫は、いずれも月次ベースで過去最多を記録した。用途別に見ると、グラフィック用紙は塗工紙が増加したものの新聞用紙、非塗工紙が減少したため、前月比△0.4万tの117.9万tで5ヵ月ぶりの減少。パッケージング用紙は、段ボール原紙の増加で同+10.3万tの106.3万tとなり、3ヵ月ぶりの増加。衛生用紙も同+2.2万tの6.8万tとなり2ヵ月連続の増加。

〔主要品種の動向〕
 新聞用紙:国内出荷は△19.7%の15.8万tで31ヵ月連続減。
 印刷・情報用紙:国内出荷は△33.2%の37.7万tで10ヵ月連続減。非塗工紙、塗工紙、情報用紙とも減少。メーカー輸出は△28.8%の3.3万tで2ヵ月連続の減少。
 包装用紙:国内出荷は△15.2%の4.9万tで14ヵ月連続減。未晒、晒ともに減少。メーカー輸出は△5.6%の1.3万tで3ヵ月ぶりの減少。
 段ボール原紙:国内出荷は△10.8%の64.9万tで8ヵ月連続減。メーカー輸出は+117.6%の5.2万tで6ヵ月連続の増加。
 白板紙:国内出荷は△18.0%の9.4万tで10ヵ月連続減。高板、特板、コート白ボールいずれも減少。
 衛生用紙:国内出荷は△7.9%の13.7万tで4ヵ月ぶりの減少。タオル用紙を除き減少した。

(FUTURE2020年7月13日号)

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