わが国の紙パルプ産業は第2次世界大戦後海外工場を失い新たなスタートを切りましたが、多くの先人たちの努力により現在のような世界第3位の規模を誇るまで発展してきました。
本書の著者は戦後国策的見地から設立された東洋パルプ(呉工場)において多くの功績を残しましたが、なかでも海外で焼却処分されていた廃材チップに着目し、その輸送用のためチップ専用船を開発に取り組んだことは業界内がもよく知られています。
世界初のチップ専用船開発となりましたが、それをきっかけにわが国で海外廃材チップの有効利用が進展し、世界の木材資源保護にも少なからず貢献することとなりました。
本書では、廃材チップ利用の先駆者として著者がどのような努力を重ねてきたのか、その詳細な経緯を検証できるとともに、“技術”に対しどのような発想・考え方で取り組んでいけば「世界初」の大きな成果をもたらすことになるのかを知る具体的事例ともなっています。
わが国が世界に誇る廃材チップ有効利用の歴史を振り返るだけでなく、今後のわが国紙パルプ産業の発展を担っていく若い業界人にとっても必読の書と言えます。
● アマゾンの「ジャリ・プロジェクト」 |
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● カナダの「キチマット・プロジェクト」 |
● チップ鉱石共積み船プロジェクト |
● 廃材チップと港湾調査1961〜62年 |
● 廃材チップ契約・呉丸就航と初荷役 |
● チップ荷役時の充填率・圧損・飛翔状態の研究 |
● チップ船および船上荷役の開発 |
● チップ専用船の開発 |
● チップ専用船の建造 |
● タンカー改造チップ船とチップ専用船の海難事故 |
● チップ専用船母港の建設 |
● チップ専用船の追加建造と推移 |
● 海外チップ輸入の経済性解析と今後の展望 |
● 輸入チップ品質と生産設備改善 |
● 輸入スモール・チップ品質“チップ選別蒸解法” |
● 輸入ソーダスト・パルプ工場の建設 |
● 輸入廃材チップおよびソーダスト計画の総括 |
(各章に英文のアブストラクトを掲載) |
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