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王子ホールディングス/CNF増粘剤がカーケミカル用品原料に


 王子ホールディングスが開発したセルロースナノファイバー(=CNF)の増粘剤『アウロ・ヴィスコ』が、このほど一般向けカーケミカル用品の原材料として採用された。
 『アウロ・ヴィスコ』は、市販の天然増粘剤に比べて粘度が10~100倍と非常に高く、少ない添加量でも十分な効果を発揮する。また静止状態では高粘度だが、攪拌などの力を加えることによってサラサラになる「チキソ性」を有している点も特長の一つ。一旦低下した粘度は、一定時間放置することによって元の粘度まで回復する。
 これらの物性が評価され、国内の一般消費者向けカーケミカル用品の増粘剤として採用された。王子HDは今後、さらに幅広い分野で用途開発を加速させる考え。また、シート状CNFの『アウロ・ヴェール』や、立体成形加工が可能な『アウロ・ヴェール3D』についても積極的なサンプル提供を行っていくとしている。

 パウダーのサンプル配布を開始

 また、王子HDはこのほど、従来のCNFでは困難とされていた「多様な有機溶剤に分散可能なCNFパウダー」の開発に成功、6月からサンプル配布を開始した。このパウダーの分散液は高透明かつ高粘度なため、塗料、インキ、ポリマー合成などへの応用が期待される。写真は分散液(粘度が高いため傾けても流動しにくい)。

(Future 2017年7月3 日号)

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