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王子グループ/ミャンマーで水事業を拡大


 ミャンマーで水事業を展開する王子ミャンマーパッケージング社の用水製造設備(写真)がこのほど、ミャンマーのビール会社最大手、ミャンマーブルワリー社のビール生産工場に導入、運用が開始された。
 ミャンマーブルワリー社(三橋英記社長)は、キリンホールディングスが55%を出資し、現地企業と合弁で経営しているビール会社。ビール増産に伴う用水使用量の増加のため、今回の設備増設となった。王子ホールディングスは、「ビール生産に使われる用水には厳格な水質基準が設けられているため、用水製造設備の設計と増設にあたっては、王子の経験と技術を活用した」と述べている。同工場では新設備により、工業用水で最大740/日、生産用水で最大840/日の用水製造が追加できることとなる。
 さらに、ミャンマー経済の中心都市、ヤンゴンで開発が進められている大型複合施設でも、王子が展開する限外ろ過膜装置と遠隔監視システムが組み込まれた生活用水製造設備および排水処理設備が採用された。下図は大型複合施設の外観イメージ。
王子の限外ろ過膜装置はこれまで、排水処理や工業用水製造設備への展開が中心だったが、王子グループは今後、生活用水製造用としても展開していく方針。さらに、IoT技術の活用により、遠隔で水処理設備を監視して維持管理を行う遠隔サポートサービスも開始しており、ミャンマーでも積極的に展開していく意向。
 王子グループは、水資源の有効活用や環境負荷軽減につながる水処理設備を通じ、東南アジアを中心とした国内外で革新的な技術を提案していく方針。

〔大型複合施設の概要〕
所 在 地:ヤンゴン市中心街
用  途:オフィス、ホテル、商業施設
総事業費:約377億円
竣工予定:2020年
水処理設備:生活用水対象水量900/日(限外ろ過膜装置)、排水処理対象水量500/日(生物処理)

(Future 2019年7月22日号)

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