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大王製紙/CNF成形体『ELLEX-M』高性能卓球ラケットに採用


 大王製紙が開発したセルロースナノファイバー(CNF)成形体『ELLEX-M』が、4月に発売される㈱タマスの高性能卓球ラケット『レボルディアCNF』の部材として採用された。
 タマスは卓球の国内トップ選手を多数契約選手に抱える卓球用品メーカー。『バタフライ』の商標で数多くの卓球用品を製造販売し、選手用の高品質ラケットでは世界トップの実績を誇る。大王製紙とタマスは、2014年から『ELLEX-M』を用いた卓球ラケットの共同開発を進め、昨年6月に打球の威力を高められることを発表。さらに、従来のラケット用部材ではできなかった、CNF特有の性能である「高反発でありながら振動特性を低く抑えられる」点も評価され、今回の採用となった。
 『ELLEX-M』はCNFの強度や熱特性を活かせるシート状材料。大王製紙が設計開発したCNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合の成形体で、汎用プラスチック材料の約5倍の力学物性(引張特性)を示し、熱特性にも優れている。
大王製紙はこのほか、『ELLEX-M』の車両への実装も進めている。米国の自動車レースに参戦している「SAMURAI SPEED」の電気自動車に、2018年から『ELLEX-M』を提供。最初はエアロパーツ(カナード翼)だけだったが、19年にはボンネット、後部ドア、後部スポイラーと実装箇所を増やし、今年(6月開催→8月に延期)は車体外装全体に実装することとなった。これにより車両の大幅な軽量化を図る。
 「SAMURAI SPEED」はこれまで、同レースに市販電気自動車で参戦してきたが、3年目となる今回は、プロトタイプの電気自動車を新規に製作し、改造無制限のアンリミテッドクラスに出場する。また大王製紙は、レース環境での耐久性などを検証し、今後の実用化に向けた取組みを進める。

 

(FUTURE2020年3月30日号)

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