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大王製紙/CNF実用化を見据え製品名を“ELLEX”に


 大王製紙は2017年12月、三島工場内にセルロースナノファイバー(CNF)乾燥体のパイロットプラント(年産能力約10t)の建設工事を完了、これによりCNFの水分散液、成形体、乾燥体のサンプル供給体制が整った。実用化を見据えた開発を本格化させるに当たり、同社ではCNFの名称を“ELLEX(エレックス)”と命名、これら3形態のサンプル提供をベースに、自動車用部品、電化製品、塗料、食品、化粧品、紙・板紙や家庭紙製品などの用途開発を加速させる。
 同社はこれまで、CNFの樹脂複合材料、増粘剤、各種機能性製品への展開を目指し、省エネを追求したCNF水分散液のパイロットプラント稼働(16年4月)、CNFとパルプ繊維を複合化したCNF成形体の開発などを行ってきた。17年4月には、CNFをトイレ用ペーパークリーナーに配合した“エリエールキレキラ!目に見えない汚れまで徹底トイレおそうじシートナノEX”を発売、10月には“キレキラ!トイレクリーナー”の全商品にCNFを配合する品質リニューアルを実施している。このように、実用事例がまだ少ないCNFをいち早く採用した着眼点と先進性が評価され、18年1月には「2017年日経優秀製品・サービス賞優秀賞日経MJ賞」を受賞した。
 同社はこれまで、樹脂と複合化する上で水分を抑えたCNFが欲しいというニーズに対し、一部ユーザーに限定してサンプル提供してきたが、今回のパイロットプラント完成を機に、1月からは多岐にわたる用途開発および量産化に向けたサンプル提供を開始。今後はCNF乾燥体(粉末状)により、樹脂複合材料の量産試作に対応していくとともに、樹脂複合材料の加工性をさらに向上させるべく、樹脂にCNFを配合した「CNF高濃度配合ペレット」の供給に向けた開発を進め、事業化に向けた取組みを強化していく。
                                          (Future 2018年2月12 日号)

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