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大王製紙/国内製紙で初のグリーンボンドを発行


 大王製紙は10月、グリーンボンドを発行する。発行額は100億円程度とし、年限は未定。
グリーンボンドとは、国際資本市場協会(=ICMA)が定めるグリーンボンド原則の要件を満たした社債。企業や地方自治体などが、環境問題の解決に資する事業(グリーンプロジェクト)に使途を限定して資金調達するために発行する債券をいう。グリーンボンドの発行は、国内製紙業界・日用品業界では初めて、国内製造業では2例目となる。
 同社は、①「難処理古紙の有効活用に関する設備」、②「パルプ製造工程で発生する黒液を燃料とするバイオマスボイラーによる発電設備」をグリーンプロジェクトとして、調達資金を充当する予定。プロジェクトの概要は次の通り。
 ① 難処理古紙の有効活用に関する設備(総投資額:約160億円)…三島工場の古紙選別・パルプ化技術を活かし、難処理古紙を有効活用する設備を拡充する。板紙生産での難処理古紙使用比率を約30%まで高めることが当面の目標。難処理古紙を段ボール原紙などの原料として再利用するための設備の新設および既存設備の改造を行う。また、難処理古紙の再利用工程で発生するビニールなどの付属物(廃棄物)を焼却し、その熱エネルギーを発電および紙の製造工程に活用する。これにより、廃棄物やCO2排出量を削減できるほか、廃棄物由来の燃料を利用した発電により、化石燃料の使用量を削減できる。
 ② 黒液を燃料とするバイオマスボイラー(総投資額:約210億円)…パルプ製造工程で発生する黒液(バイオマス燃料)を100%燃料とするバイオマスボイラーを新設する。これにより、化石燃料を使用した発電と比較して、CO2排出量が削減できる。

(Future 2018年10月22日号)

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