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大王製紙/三島工場でCNFのパイロットプラントが稼働


 大王製紙はセルロースナノファイバー(CNF)のパイロットプラントを愛媛県四国中央市の三島工場に設置、4月から稼働させた。これにより省エネルギー型CNF製造プロセス研究開発を加速させて製造コストの低減を進め、CNFサンプル供給量・供給先を増やして早期の事業化を図る。
 パイロットプラントの生産能力は最大100t/年。グレードの異なる解繊工程を組み合わせたCNF製造プロセスにより、エネルギー使用量を従来の5分の1に削減する目途を立てた。同社は事業化に向け、種々のパルプで多様な特徴をもつCNF製品をラインアップし、産学官での研究開発を加速させながらサンプル提供を増やしていく考え。
 用途としては、増粘・分散材料用途(化粧品、食品増粘剤、塗料など)、分離・担持材料用途(フィルター、セパレータ、特殊紙など)、包装材料用途(バリアフィルム、バリアシートなど)、構造材料用途(ゴム補強剤、樹脂補強剤など)などを想定し開発を進めていく。
 また、6月には薬品などによる前処理工程を設置し、エネルギー使用量を従来の10分の1に削減するCNF製造の実証を開始する予定で、量産化時には、経済産業省のロードマップ目標の製造コストである1,000円/kg以下になる見込み。さらに、複合材料の製造に適したドライパウダーCNFの供給に向け、来春には乾燥設備も設置する計画。同社では2020年の商業プラント建設を目指し、プラントスケールアップの検討・品質改善を進めていく。

(Future 2016年5月23日号)

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