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全段連/2017年の段ボール需要は過去最高を予測


 全国段段ボール工業組合連合会は先頃、2017年(1~12月)の段ボール需要量は前年比+1.0%の141億m2に達するとの予測結果をまとめた。これは2010年以降8年連続のプラス成長で、過去最高だった2007年の139.7億m2を10年ぶりに更新することになる。

 まず、2016年の国内経済は7~9月期の速報値で前期比実質GDP成長率が年率+2.2%となり、3四半期連続のプラス成長を確保、緩やかな回復基調を維持している。民間調査機関による予測では、2016年度の成長率は概ね1%程度である。

 こうした経済状況を背景に2016年の段ボール需要は堅調なペースで推移し、1~10月累計で前年比+1.5%。1~12月累計では2015年12月に全段連が公表した予測=同+1.2%を上回り、2007年の過去最高生産量139億6,600万m2に迫る139億5,700万㎡(+1.6%)程度となる見込みだ。
一方、2017年度の国内経済は、米国のトランプ政権発足による影響が不透明な部分はあるものの、引き続き緩やかな回復基調が続くと予想されており、民間調査機関による実質GDP成長率予測も概ねプラス1%程度となっている。

 このような段ボールの需要動向、経済見通しを考慮して、全段連は2017年の段ボール需要が史上初めて140億㎡の大台に乗ると予測した。この期間別内訳は1~3月+0.7%、4~9月+1.0%、10~12月+1.4%と年後半にかけて、伸び率が高まると予測している。

 以下、主な需要部門別動向は次の通り。

 (1) 加工食品用(構成比41%)
 節約志向による中食の増加、消費単位の細分化、訪日外国人による需要など、段ボール需要にとってのプラス要因がいくつか見込まれ、1%強の伸びと予測。
 (2) その他(構成比17%)
 紙おむつ、高齢者向け衛生用品、ペット関連商品などやインバウンド需要にも期待が持てることから、前年を1%程度上回ると予測。
 (3) 青果物用(構成比11%)
 生産者の高齢化、農業人口減少により生産量の伸びは期待できないが、輸出増などもあるため、前年並みと予測。
 (4) 電気器具・機械器具用(構成比8%)
 自動車、家電など国内生産量の伸びが期待できない分野だが、買い替え需要、インバウンド需要などに期待し、前年並みと予測する。
 (5) 通販・宅配・引越し用(構成比5%)
 引き続きネット販売を中心に好調で、前年より5%以上は増えると予測している。

(Future 2017年1月16日号)

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