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ユポ・コーポレーション/100年への節目に向け新たな企業理念を制定


 ユポ・コーポレーション(渡邉真士社長)はこのほど、創業当初の原点「挑戦マインド」に立ち返り、百年企業を目指して新たな企業理念「ユポ百年宣言」を制定した。

 1969年5月に創業し、昨年50周年を迎えた同社はこの機会を節目と捉え、さまざまな施策を通じて目まぐるしく変化する社会の要請に柔軟に対応できる体制づくりを進めている。昨年3月には次代の主力製品としてバイオマス樹脂を配合した環境配慮型の合成紙『ユポグリーン』を上市し、さらに今年1月には今後の研究開発の拠点となる開発研究棟を竣工した。今回の新しい理念制定も、こうした活動の一環として行うもの。

 同社は半世紀前、「森林資源由来の紙に代わる新素材の開発」を目指し、当時は世の中に存在していなかった「合成紙」の開発にチャレンジ、現在の市場とニーズを創造してきた。「ユポ百年宣言」という名称には、その歴史の中で育まれてきた自社のDNAを受け継ぎ、この先も多くの困難に果敢に挑戦していく「覚悟」の意味を込めているという。

 この「ユポ百年宣言」は①メッセージ ②使命 ③行動基準――の三つから構成されている。①「これまで、これから」と題したメッセージは、「合成樹脂から紙を作る」という独創的な夢を実現する過程で直面したさまざまな試練を「挑戦の精神」で乗り越えてきた経験を振り返るとともに、未来の可能性に取り組む決意を示したもの。

 次の②「私たちの使命」では“人々のより良い暮らしを実現する”という、自らが為すべき目標を表し、最後に③の「私たちの行動基準」として、従業員1人ひとりが実践すべき規範を定めている。

 今後は、全従業員がこの新たな企業理念「ユポ百年宣言」に基づいて、自社が目指す方向を見つめ、創業以来の価値観を共有し、個と集団の力を合わせて未来を切り拓くことで、広く社会にとって価値ある企業を目指していくとしている。

 合成紙ユポの特徴 合成紙ユポはポリプロピレン樹脂と無機充填剤を主原料とし、耐水性・耐久性に優れた特徴を持つ。水に強く、破れにくいなどの特性から、シャンプーボトル・生鮮食品などのラベルや店頭用のPOP・ステッカー類、飲食店のメニュー表など日常で目にする多くの印刷物に活用されている。

 また、自治体が発行するハザードマップやトリアージタグといった防災用品から、長年にわたり国政選挙のポスター・投票用紙の素材としても活用されており、幅広い分野で社会を支えている。さらに下表にもある通り、白色度が高く印刷や筆記に適しているため、プリントメディアとしても有用。印刷形式では、これまでにオフセット印刷やシルクスクリーン印刷、シール印刷、グラビア印刷などに対応してきた。

 現在、合成紙ユポのラインナップは数百種類に及び、半透明から和紙調、メタリック調など多種多様な風合いを持つものから静電気で吸着する製品など、さまざまな機能を有したグレードを用意、顧客のニーズに応じた製品づくりを展開している。

 〔会社概要〕
 1969年(昭和44)に王子製紙(現・王子ホールディングス㈱)と三菱油化(現・三菱ケミカル㈱)の折半出資により設立。以来50年を超える実績を持ち、現在は世界70ヵ国以上で製品を販売するなど、文字通り合成紙業界のリーディング・カンパニー。
 この間、1971年に鹿島工場(茨城県神栖市)1号機、86年に同2号機、90年に同3号機を完成させ、国内外向けに安定供給体制を整えてきた。その後、1998年9月には米国ヴァージニア州チェサピーク市に生産と販売を行う子会社を設立。全世界レベルで安定供給体制の整備を進めている。2000年10月には、ドイツに販売子会社を構え、欧州・アフリカ地域でYUPOブランドを使っての独自販売を開始。このほか中国、インド、タイにも販売拠点を有し、供給と品質の安定性が国内外のユーザーから高く評価されている。

(FUTURE2020年7月20日号)

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