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大王製紙/三島でペーパータオルに特化した抄紙機・加工機を増強NEW


 大王製紙は5月27日、顧客ニーズへの対応と国内供給力の強化を目的に衛生用紙生産設備を増設すると発表した。設置場所は2018年に衛生用紙工場として新たに生まれ変わった川之江ではなく、紙・板紙の主力設備がある三島。衛生用紙の中でもペーパータオル原紙生産に特化した抄紙機と加工設備を導入する。
 同社は、現在取り組んでいる第3次中計で「抜本的な構造改革」を戦略テーマに掲げており、とりわけ衛生意識の向上やインバウンド効果で、将来にわたり安定した成長が見込めるホーム&パーソナルケア事業の強化に注力している。
 その一環として2018年に10月には川之江工場でティシュ、トイレ紙を製造する1号抄紙機と加工設備を稼働させたが、生活様式の変化に伴うローションティシュなど付加価値商品の需要増により、すでに生産・販売余力がなくなっている。そのため現在、川之江工場で2号抄紙機の設置工事に着手しており、2021年10月の稼働後は衛生用紙の安定供給体制が一段と強化される見通し。
 そして今回、三島工場で増設を決めた設備はペーパータオルの安定供給を目的としている。国内のペーパータオル市場は今後も堅調な需要の伸長が見込まれている。大王製紙はこれまで、商業施設や外食産業、医療福祉施設などの法人向けを中心に販売を進めてきた。また、新型コロナウイルス感染拡大を受けた衛生意識の向上、人々の生活様式の変化に伴い、家庭内でも消費が増えており、一層の販売増が見込まれる。
 このような需要増に対応していくため、競争力のあるパルプを活用できる三島工場に生産設備を設置し、法人向けに加えて一般家庭向けも視野に入れたペーパータオルの安定供給体制 をさらに強化していく考え。川之江ではなく三島での増設としたのは、ペーパータオルの場合、ティシュやトイレ紙とは要求される紙質が異なり、多様な自製パルプを使える三島の方が適していると判断したためのようだ。
 2019年の会社別生産実績を表に示した。川之江の新設マシンがフルに寄与して大王製紙が生産を増やしており、グループのシェアでは2位以下に大きな差を付けている。
 ただし表には出ていないが、業界ではエム・ピー・エム王子ホームプロダクツの年産2.1万tマシン(三菱製紙・八戸工場内)が昨年4月から稼働しており、今年3月以降はフル稼働の体制に入っている。また、この6月にはクレシア春日が、長尺トイレ紙の生産を主体とする年産4万tの第二抄紙機(日本製紙・富士工場)を稼働させる予定。好調な市場環境を背景に、各社とも増設と増設の間隔が短くなっており、販売競争の激化は避けられないが、今後は安定供給とともに安定市況をどう維持していくかも重要な課題となりそうだ。

 

(FUTURE2020年6月15日号)

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