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大王製紙/トルコとブラジルで衛生用紙会社を子会社化NEW


 大王製紙は今春、トルコとブラジルで衛生用紙メーカーを子会社化する。
同社は成長戦略の中核として、衛生用品などのホーム&パーソナルケア(H&PC)の海外事業拡大を進め、ベビー用紙おむつを中心に中国や東南アジアで市場シェアを伸ばしている。一方、アジアに続く進出エリアを検討する中で、地政学的な特性からトルコに着目、2014年より調査を続けてきた。

 トルコは8,200万人の人口と年間100万人を超す出生数から、衛生用品市場の成長が見込まれると同時に、地政学的にはMENA(中東・北アフリカ)からロシアおよび周辺国を視野に入れた生産拠点になり得る。そこで大王製紙は17年、イスタンブールに駐在員事務所を開設、18年からはベビー用紙おむつを販売している。さらに、19年7月にはモスクワに駐在員事務所を開設し、ロシアでのマーケティング強化に取り組んでおり、別途、中東各国への営業活動も進めている。

 今回、大王製紙が子会社化するのは、トルコの大手食品・消費財メーカーのユルドゥズ社が100%保有するウゼン社(1998年設立。資本金約28億円)。ウゼン社はイスタンブールに近い好立地に工場を持ち、現在はベビー用紙おむつ、ウエットワイプ、液体石鹸を生産・販売している。直近の業績(18年12月期)は売上高35.78億円、営業損益△1.62億円、当期損益△5.43億円。ベビー用紙おむつ事業に参入したのは2007年で、11年から19年まで衛生用品の世界的大手であるESSITY社が資本参加していたこともあり、紙おむつ製造に関する技術力は高いと大王製紙は判断した。大王は4月上旬を目途に、親会社であるユルドゥズ社から、ウゼン社の全株式を譲り受けて完全子会社化する予定で、株式取得価額は約30億円。

 一方、ブラジルでは、丸紅と共同出資する投資会社H&PC BRAZIL PARTICIPAES S.A.(大王51%、丸紅49%出資)を通じ、Santher – Fbrica de Papel Santa Therezinha S.A.社(Santher社)の全株式を取得する。取得価額は約584億円で、6月30日を目途に取得する。

 ブラジルでの買収もトルコ、ロシアに続く海外戦略の一環で、買収後のビジョンとしては南米全域、さらにアフリカ南部の経済発展に伴うH&PC付加価値商品への需要取り入れを視野に入れている。

 ブラジルのH&PC市場は世界4位の規模で、過去5年間に衛生用紙が年率5.6%、紙おむつが同5.4%成長しており、人口増加や経済発展に伴い今後も継続的な市場拡大が見込まれている。Santher社(資本金52.7百万レアル=約13.38億円)は1938年に設立され、衛生用紙、ベビー用おむつ、生理用ナプキンなどを製造・販売してきた。同社商品のブラジルでの認知度は非常に高く、中でも現地消費者から高く評価されている「Personal(ペルソナル)」ブランドは、H&PC市場で確固たる地位を築いている。直近の業績(19年12月期)は売上高1,563百万レアル、当期益30百万レアル。

 大王・丸紅による買収を機に、Santher社は大王が強みを持つ大人用おむつの製造・販売に参入し、またプレミアム製品ラインの拡充、病院・クリニック向け製品の強化、保湿・可溶性向上などの新技術導入を進める。同時に、丸紅のブラジルでの豊富な事業運営知見やグローバルネットワークを活用し、企業価値の向上を図るとともに、将来的には南米全域、アフリカまでを見据えてH&PC事業を展開していく計画。

 

(FUTURE2020年3月16日号)

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